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HSP気質の会社員 "チョコプリン"による映画&ドラマ感想ブログ

実話映画『グリーンブック』感想&ネタバレ 人種差別と友情。心を満たす名シーンたち!

グリーンブック


グリーンブック(字幕版)

 

こんにちは、チョコPです。 

 

今回レビューする『グリーンブック』は、

第91回アカデミー賞で全5部門のノミネート、作品賞のほか脚本賞助演男優賞(Mahershala Ali)を受賞した話題の作品です。

 

ストーリーに心惹かれるものがあり公開直後に鑑賞!

作品情報

データ

原題 : Green Book

製作年 : 2018

製作国 : アメリカ  上映時間 : 130分        映画.com 

 

あらすじ

1960年代の人種差別が色濃く残るアメリカ。
粗野で職が不安定なトニーと寡黙な天才黒人ピアニストのシャーリーが織りなす8週間の旅。

登場人物(キャスト)

  • Tony Lip(Viggo Mortensen)…主人公:クラブの用心棒

粗野で口が上手い。家族や周囲に愛されている。

 

  •  Dr. Don Shirley( Mahershala Ali)…天才ピアニスト

教養と品があり落ち着いた性格。孤独な一面も…。

 

感想

凸凹コンビのロードムービー!のような明るいイメージを想像していたんですが、鑑賞後はまた違う印象を抱いたのでまとめていこうと思います。

噛み合わない2人

クラブが改装になり無職になってしまったトニーと、コンサートツアーの運転手を募集していたシャーリー。

 

お互い求める条件は合っていたのにもかかわらず、
旅を始めた当初は衝突を繰り返します。

 

その理由として性格が正反対であったことも大きいと思いますが、当時の時代背景と2人の住む世界の違いもあります。

 
1960年代はまだまだ人種差別が根強い時代です。

 

映画『ドリーム』や『HELP』(こちらも傑作なので未見の方は是非!)でも描かれていますが、家政婦や給仕係は黒人の仕事で、レストランやトイレなども人種によって区別されていました。(公民権法制定まで)

トニーも自宅の水道修理?に来た黒人2人が使ったコップを後から捨てています。少なからず差別意識があったということですね。

 

(C)画像引用:Green Book (2018) - IMDb

 

一方のシャーリーは、運転手の面接を行うときに玉座から見下ろすような形で相手と対面しています。これは、相手から下に見られないようにする強い警戒心の現れのように感じました。

 

 

そしてもう一つ!

写真から分かるように、シャーリーの部屋は象牙があったり骨とう品に囲まれていたりと見るからにお金持ちです。

対するトニーは無職で大食い対決をして$50稼ぐような日々です。
人種や性格だけでなく、住む世界も全く違います

 

そんな違うところだらけの2人が、「グリーンブック」(グリーンブックとは:黒人専用のガイドブック)を片手に8週間の旅をするわけですね。ただコミカルなだけの作品ではありません。

 

記憶に残るシーンたち

南部に向かうほどひどくなる差別行為や不愉快な視線…。旅を通して助け合うことで理解を深めていきます。

 

道中では会話のテンポも良く記憶に残るシーンがたくさありました!

その中でも特に印象的なシーンをご紹介します。

 

◆ケンタッキーを食す!

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(C)画像引用:Green Book (2018) - IMDb

 

これはSNSでも話題になっていたシーンですね。

車内でケンタッキーを食べる2人のやりとりです。少しずつ関係性が出来つつあるのが分かって微笑ましい^^ ぜひスクリーンで見てほしいです!

 

◆シャーリーの手紙講座

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(C)画像引用:Green Book (2018) - IMDb

 

家を留守にする間、奥さんから手紙を書くように言われたトニー。

トニーはその約束を守るために頑張って書こうとするんですが、子供の日記みたいな文章になってしまいます。(それはそれで個性があって良かった。)

 

見兼ねたシャーリーが文章の訂正をしてくれるんですが、その先生と生徒のような図が笑えるしほっこりします。

 

最後はちゃんと自分のものにするトニーもさすが!

 

こんな風にお互いの影響を受けながら変わっていく姿がとっても素敵です。

 

個人的にはどのシーンをみてもおじさん2人のやりとりが可愛く見えて良い意味で予想外でした笑

 

ユーモアもウィットに富んでいて声を出して笑えるところが良かったです。

 

友情の深まり

シャーリーがわざわざ危険な南部でコンサートツアーを行う理由は、才能に甘んじず一歩外に踏み出してみようという強い想いからだと思います。

その信念を守るためにツアー中はずっと差別に耐え続けることになります。

 

それでも、トニーの「俺の暮らしのほうがもっとブラックだ。」という言葉に、

黒人社会から離れ白人の演奏会では教養があることの証として利用され一歩外を出ればニガー(黒人の蔑称)と呼ばれ人間でも無い。」と苦しい心の内を吐露。悲痛な心の叫びは伝わってくるものがありました…。

 

気持ちをさらけ出したことで2人の友情はより強まっていきます。

 

穏やかな感動(ネタバレ有)

終盤に入り、すべての日程を終えたトニーはクリスマスが終わる前に家族のもとへ帰ろうとします。

疲労と睡魔から運転できないトニーに代わりシャーリーが運転してあげるんですが、家族に会ってほしいと言われると「Merry Christmas.」一言だけ告げて立ち去ってしまいます。相手を想っての行動とはいえめちゃくちゃ切ない…。

 

その後、一人っきりの部屋でぽつんと翡翠を触るシャーリー。しばらくして思い立ったかのようにトニーの家を訪れます。

 

ここからエンディングへの流れには胸がいっぱいになりました。 特に奥さんの言葉はユーモアと人柄の良さが感じられて良かったです。映像のまとめ方もまとまりがあって見やすかったですね。

 

まとめ

最後まで笑って泣ける、穏やかな感動に心が満たされる映画でした!

お互いの違いを認め前に進むことの大切さを教えてくれます。これが実話っていうところにまたグッとくるものがありますね。

 

ちょこっとTIPS

【シャーリーのお洒落さ

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(C)画像引用:Green Book (2018) - IMDb

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満足度

5 /5点満点中

 

 

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