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映画『ブラック・フォン』感想 | “番犬ガオガオ”的イーサン・ホークとレトロな成長脱出物語。【ネタバレ】

ブラック・フォン


ブラック・フォン (ハーパーBOOKS)

 

こんにちは、チョコプリンです。 

 

今回レビューする『ブラック・フォン』は、『ゲット・アウト』などのブラムハウスによる最新サイコスリラーです!独特なデザインのマスクが印象的ですよね。

 

イーサン・ホーク×ブラムハウスということで初日に観に行ってきましたー!

 

作品情報

ドクター・ストレンジ」「エミリー・ローズ」のスコット・デリクソンが監督、「透明人間」「ゲット・アウト」などスリラー作品の話題作を多数送り出しているジェイソン・ブラムが製作を手がけたサイコスリラー。(中略)原作はジョー・ヒルの短編小説「黒電話」。出演はイーサン・ホークほか。 映画.com

 

◆原作短編小説 

 

データ

原題 : :The Black Phone

製作年 : 2022   映倫区分 : PG12

製作国 : アメリカ 上映時間 : 104分 映画.com

 

あらすじ

コロラド州デンバー北部のとある町で、子どもの連続失踪事件が起きていた。気が小さい少年フィニーは、ある日の学校の帰り道、マジシャンだという男に「手品を見せてあげる」と声をかけられ、そのまま誘拐されてしまう。気が付くと地下室に閉じ込められており、そこには鍵のかかった扉と鉄格子の窓、そして断線した黒電話があった。すると突然、フィニーの前で断線しているはずの黒電話が鳴り響く。一方、行方不明になった兄フィニーを捜す妹グウェンは、兄の失踪に関する不思議な夢を見る。 映画.com

 

登場人物(キャスト)

◇グラバー(イーサン・ホーク)…シリアルキラー

 

◇フィニー(メイソン・テムズ)…主人公

 

◇グウェン(マデリーン・マックグロウ)…フィニーの妹

 

感想

鑑賞中どことなくスティーブン・キングを感じるなあと思って見てたら、原作「黒電話」の作者ジョー・ヒルは、彼の息子さんなんですね。

 

監督のインタビューによると、ジョー・ヒルが父親に映画を見せたところ、「地獄の“スタンド・バイ・ミー”だね」と言われたそう。

 

――過ぎ去った昔や子ども同士の友情に抱く郷愁の痛みは、スピリチュアル版『スタンド・バイ・ミー』(1986)のようでした。あの映画を意識されましたか?

デリクソン監督:ジョー・ヒルが映画を父親のスティーヴン・キングに見せたら、彼はひとこと“地獄の『スタンド・バイ・ミー』だね”って(笑)。 ランクイン!

 

私の感想もほぼそれだと思いました。

………が、それだと記事が終わってしまうので笑、

この作品の良い点・悪い点をまとめていきます。

 

ホラー×ジュブナイル

まず設定ですが、

黒い風船と仮面を付けたマジシャン、誘拐された少年が地下室での脱出を試みる、そのキーとなるのが断線した黒電話から鳴り響く“死者からの電話”………というもの。

 

設定自体は好きですね。

あの作品を思い出しました、呪われた死霊館

 

ホラーと書きましたが、実際には脅かし方や音楽がホラーっぽいだけで、怖くないホラー風味のサイコスリラーといったところですね。

ITを連想させるシーンもありました。オマージュしてますよ感が潔い。

 

肝心の地下室ターンはテンポゆっくりスリリングさはあまり無いです。(ジャンプスケア的にビクッとなる箇所あり)

 

映像としては、70年代のレトロな雰囲気や、ミッシング、途中で出てくる夢の質感が良くて、OPのベースボールのシーンも味がありますね。

それに加えていじめられっ子の主人公が、試行錯誤を繰り返す中で成長していく様子が描かれています。

あと、兄妹仲良しなのが可愛いです。

 

番犬ガオガオイーサン・ホーク(シリアルキラー像)

番犬ガオガオってなんやねんって感じだと思いますが、これは映画を観たら確実に分かります。笑

 

この映画はサイコスリラーなので、キラーの風貌やキャラクター性がかなり重要になってきます。その点で言うと、グラバーは黒い風船を持ったマジシャンで、謎のマスクを着けている。実在しそうな怖さはありますが、キャラとしての方向性がインパクト弱めに感じました。

なんだろう…変態かサイコパスか。

 

上半身裸にベルトを持って座っているグラバーは、リアルキラーというよりはおもちゃの“番犬ガオガオのようで、ちょっとしたギャグになってました。

 

〇す時の発動条件も分かりにくい。他のミッシングボーイたちに比べると何しても中々やられない。

フィニーを気に入っている理由であったり、マスクの意味を掘り下げてくれたらもっと楽しめたかもしれません。マスク自体は凝った作りで安っぽくないしグラバーというキャラクターに合っていたと思います。

 

成長脱出物語(ネタバレ有)

死者からの電話は失踪して亡くなった少年たちで、それぞれが脱出を試みた時の方法を教えてくれます。

一つ一つは失敗した作戦でもそれらを組み合わせてグラバーに立ち向かいます。

 

使えない黒電話を武器にして敵を倒す。それを教えてくれたのは主人公を気にかけていた喧嘩の強いロビン。

いじめられっ子の主人公が、少年たちとのやり取りや強烈な成功体験をすることで、一回り成長する訳ですね。(激重トラウマになりかねないと思いますが…)

 

脱出後は、恋に家族にいじめっ子の問題も解決されて、主人公の成長脱出物語として小奇麗にまとまっています。

 

ただ、あの父親はクソ。あの時代はベルトで躾?が定番だったんでしょうか。

 

まとめ

ラストカットの「フィニーじゃなくてフィンが良い」は上手い。クスっときました。

 

物語の“Fin”ってことですね。

 

 

関連作品

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満足度

★3 /5点満点中

 

 

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